カナダのコープ(Co-op)留学|メリット・デメリットを経験者が解説!

カナダコープ留学・メリットデメリット
監修者

監修者末永 真一

カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002|カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。現在までサポートしてきた留学生数は1万人以上。カナダ留学情報を発信するX(Twitter)アカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万以上。

カナダ独自の「学びながら働く」制度であるカナダのコープ(Co-op)留学

カナダのコープ留学について名前は聞いたことがあっても、参加するメリット・デメリットがよくわからない人もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、コープ留学経験者である筆者が、カナダで人気のコープ留学メリットやデメリットを詳しく解説します!

そもそもコープ留学が何なのかわからないという場合は、こちらの記事からCheckしてくださいね!

目次

カナダのコープ(Co-op)留学|7つのメリット

カナダコープ留学のメリット

カナダのコープ(coop)留学の7つのメリットをまとめます。

専門学習と就労体験ができる

カナダコープ留学の大きなメリットは、専門学習と就労体験ができることです。

コープでは、「座学期間」と「インターン期間」があります。座学期間では専門知識を学び、インターン期間では企業での実務経験が可能で、この期間はフルタイムで働くことができます。

留学費用の心配をする人も安心です。生活費を稼ぎながら学校に通える※ので、経済面での不安を軽減できますよ。

※インターンが有給の場合(無給の場合もある)

生活費を稼ぎながら経験を積めるという点は、ワーキングホリデーとも共通する魅力ですね!

カナダは日本よりも最低賃金が高いので、より多くのお金を稼げるのも魅力です。

語学以外のスキルを身につけられる

コープ留学の2つ目のメリットは語学以外のスキルを身につけられること。

語学学校とコープ留学の対象となる「カレッジ」の大きな違いは次の点です。

語学学校英語を学ぶ
カレッジ英語専門知識を学ぶ

カレッジでは、専門知識を学ぶことが最大の目的です。英語はそのためのツールとして使われます。

コープには次のようなさまざまなプログラムが用意されており、興味や職業に応じて学べます。

希望する職種コープのプログラム(例)
接客業カスタマーサービス
ホテル・観光業ホスピタリティ、ツーリズム
オフィス系ビジネス、マーケティング
国際取引・物流国際貿易
IT系デジタルマーケティング、ウェブ開発、ウェブデザイン
好きなことを仕事に美容、服飾

つまり、仕事で役立つスキルが身につくということです。

「語学だけでなく、もう少し難しいことに挑戦したい」という方におすすめですよ。

年齢や回数の制限なし

コープ留学の3つ目のメリットは、年齢や申請回数に制限がないことです。

たとえば、ワーキングホリデービザでは、申請できる年齢は18歳以上から31歳未満に限られています。また、申請できる回数は1回だけ(カナダの場合)です。

しかし、コープ留学では年齢や申請回数に制限がありません。そのため、すでにワーキングホリデーを利用した人や、31歳以上の人でもコープ留学ができます!

カナダ長期滞在のひとつの手段

コープ留学は、カナダに長く滞在する手段のひとつです。

コープのプログラムによって滞在期間は異なりますが、おおよそ半年から2年ほど滞在できます。

他の国で使われるワーキングホリデービザでは基本的に1年しか滞在できませんが、コープ留学では2年間滞在できとても貴重です。

長くカナダで生活してみたいと思っている人は、コープ留学の利用を検討してみるといいでしょう。

観光ビザやワーキングホリデービザと組み合わせることで、さらに長い期間カナダに滞在することができます!

カナダでの仕事探しに役立つ

コープ留学の5つ目のメリットは、カナダでの仕事探しに役立つことです。

私立カレッジのコーププログラムは、基本的には「仕事を見つけたりキャリアを築くための専門学校」です。

つまり、就職を目指すための学校なので、授業やサポートサービスには就職支援がほとんど組み込まれています。

例:私立カレッジに含まれるサービス
  • レジュメ(英文履歴書)の作り方講座
  • カナダでの就活のやり方指導
  • 面接の練習
  • 面談で求人市場の現状と希望職種のすり合わせ
  • 求人情報の紹介や送付

さらに、学校によっては就職フェアや企業説明会を開いたり、パートナー企業の求人につないでくれることも。

日本の大学のキャリアサポートをイメージするとわかりやすいですね!

実際に面接を受けてポジションを手に入れるのは自分ですが、うまく活用すればチャンスは広がります。

またコープ留学のもうひとつのメリットは、フルタイムで働ける期間があることです。

コープ期間中に見つけたインターン先でしっかり働き、雇用主からの信頼を得て、卒業後の就労ビザの取得につなげましょう。

【大学生】日本での就職に有利になる可能性あり

さらに、コープ留学の経験が大学生の皆さんの日本での就職に有利になる可能性があります。

日本国内で高度な海外での仕事経験を持つ学生は、そう多くはいません。

ですから、帰国後の就職活動においても、強力なアピールポイントとなることは間違いありません。

大学卒業後の就職活動に向けて、コープ留学での仕事経験を積む学生も多いですね。

また、インターン先で得た「Reference letter(推薦状)」は、日本での就職先においてもアピール材料として活用できますよ。

メモ

日本企業ではコープ留学の知名度が高くありません。そのため、「コープ留学に行った」という事実だけではアピール効果は薄いでしょう。

面接では、「留学中にどんな仕事を経験し、何を学んだのか」そして「就職先で学んだことをどう活かすか」について重点的に話すといいですね。

【社会人】キャリアアップにつながる

そして、コープ留学の7つ目のメリットは、キャリアアップにつながることです。

最近では「社会人」のコープ留学が増えています。先述のとおりコープには年齢制限がないため、30代以上の方でも留学ができ注目を集めているのです。

たとえば、以下のような理由で社会人がコープ留学を選ぶケースが多いです。

例:コープ留学を選ぶ理由・きっかけ
  • 仕事を数年経験して、新しい環境に挑戦したくなった
  • 留学した後、いい仕事が見つかるか不安
  • キャリアアップ/キャリアチェンジがしたい
  • 海外で働いてみたい

ただ「仕事を辞めて留学する=キャリアを中断する」ことに、不安を感じる社会人もいそうですよね?

でも大丈夫です!考え方次第では、キャリアの中断にはなりません。

なぜなら、コープは英語を学ぶための留学とは異なり、「仕事をするための制度」だからです。

働く場所が「日本からカナダに変わるだけ」なので、キャリアの中断ではなく「その後のキャリアに役立てる時間」とすることができます。

カナダのコープ(Co-op)留学|5つのデメリット・注意点

カナダコープ留学デメリット

次は、カナダのコープ(coop)留学の5つのデメリット・注意点をまとめます。

コープ対象の学校は限られている

まず、コープ(Co-op)プログラム対象の学校は限られているという注意点があります。

コーププログラムは、カレッジ(専門学校)以上の高等教育機関で受けることができます。

カナダでコープが認められている学校は以下の通りです。

  • 大学
  • 公立カレッジ(専門学校)
  • 私立カレッジ(専門学校)
  • ビジネススクール

※留学生に人気の語学学校(ESL)ではコーププログラムは受けられません。

さらに、カナダ政府の認定校であることが必須条件です。

カナダのすべての学校でコーププログラムが提供されているわけではないんです。

2014年より前には、私立の語学学校を含めて多くの学校がコーププログラムを提供していました。

しかし、現在はほとんどの学校で廃止されており、コーププログラムが認められているのは以下の厳しい条件を満たす学校だけです。

コープが認められる学校の条件
  • DLIナンバー (Designated Learning Institution Number) がある
  • EQA (Education Quality Assurance) に加盟している

政府から認定されたコープができる学校リストは、以下のリンクから確認できます。

日本語で情報が見たい場合は、こちらのページをご活用ください!

専攻のプログラムに関連する仕事しか選べない

カナダコープ留学のインターンシップでは、専攻のプログラムに関連する仕事しか選べません

授業と連動しているので、たとえばWEBデザインを学んでいるのに飲食店で働くのは意味がありません。これは当然ですよね!

コープは「希望の職業に必要なスキルを磨き、インターンで実績を積むためのプログラム」です。

したがって、インターン先は学校に「承認」してもらう必要もあります。

学校のコープ担当者と積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう!

インターン先は自分で探さなきゃいけない

次に、コープ留学でよく誤解される点を説明しましょう。

コープの仕事(インターン先)は、基本的に自分で見つける必要があります

つまりカナダの現地の人々と同じように、求人を探し、応募し、面接を受けます。

カレッジでは、授業などで就職準備をサポートしてくれ、求人があれば知らせてくれますが、学生が何もしなくていいわけではありません!

学校のサポートを活用したり、クラスメイトと情報交換をしたりして、自分から積極的に仕事を探しましょう。

また業界ごとに行われることがあるミートアップ(交流会)で、仕事を見つけたり人脈を築くのも有効です。

実際にコープ留学をしている人がどのようにしてインターン先を見つけたかについては、以下の体験談をご確認ください!

インターン先が見つからないリスクもある

コープ留学では、インターン先が必ず見つかるわけではない点にも注意が必要です。

特に、未経験で新しい仕事に応募しようとする場合、インターン先探しは難しいこともあります。

カナダでは経験やスキルが重視される傾向にあるのです。

もちろん、未経験から現地のインターン先を見つけ、その後にワークビザを取得する人もいます。

ただし、それは誰にでも簡単にできることではなく、綿密な計画や留学中の積極的な行動が必要です。

少しでも就職の可能性を高めたいなら、学習・就活計画は早めに立て、諦めずに多くの求人に応募しましょう。

留学計画にお困りの場合は、ぜひ弊社にご相談を!

ポスグラビザの対象ではない

最後に注意なのは、コープはポスグラビザの対象ではないということです。

ポスグラビザとは

ポスグラビザ(Post Graduation Work Permit, PGWP)は、条件を満たすカナダの学校を卒業したときに発行される就労ビザ。通学期間に応じ就労ビザが発行される。8か月〜24か月間学校に通っていた場合、就学期間と同じ期間分のビザが発行される。さらに、2年以上の通学の場合は3年間の就労ビザを取得できる。

ポスグラビザがあれば、最大3年間カナダで働けるので、魅力を感じる人が多いです。

ただし、コープ留学を提供する私立カレッジはポスグラの対象外です。

ポスグラビザを使わずにカナダで長期滞在や就労を目指す場合は、ワークビザやワーキングホリデー、ROワーキングホリデービザを組み合わせる方法があります。

コープ(Co-op)留学以外でカナダで働ける3つのビザ・プログラム

最後に、カナダコープ留学以外でカナダで働ける3つのビザ・プログラムを紹介します。

注意

ここで紹介するのは、雇用主・職種を限定しない就労ビザ(オープン就労ビザ)の一部です。就労ビザについて詳しいことが知りたい場合は「カナダの就労ビザについて」をチェックしてください。

ワーキングホリデービザ

カナダで働けるビザとして誰もが思いつくのは、ワーキングホリデービザではないでしょうか。

こちらのビザの特徴・概要は次のとおりです。

申請年齢18歳~30歳
条件一生に一度
働ける期間1年間
仕事の種類自由に選べる
永住権に活用可能?
期間中の職歴は永住権申請にカウントされる?

30歳以下の人であれば申請しやすいビザですが、一生に一度しか申請できないことは覚えておきましょう。

詳しい応募条件や申請費用などは、以下の記事にまとめています。

ROワーキングホリデービザ

次に紹介するカナダで働けるビザは、ROワーキングホリデービザです。

ROとは、Recognized Organizationの頭文字を取ったもので、カナダ政府から認可を受けた指定機関です。

このROを通じてのみ申請できる特別な制度のため、ROワーホリと呼ばれています。

カナダにしかない制度です!

こちらのビザの特徴・概要は次のとおりです。

申請年齢18歳~35歳
条件ワーホリ経験済みでも参加できる
働ける期間1年間
仕事の種類自由に選べる
永住権に活用可能?
=期間中の職歴は永住権申請にカウントされる?

通常のワーキングホリデーとの大きな違いは、「申請可能な年齢」と「条件」です。

31歳以上でも申請可能であり、ワーキングホリデー経験者でも参加できるのが魅力です。

参加枠がかなり限られているビザなので、募集があれば必要書類を揃えて迅速に応募しましょう!

弊社ではROワーキングホリデーの最新情報を以下の記事や公式Twitter(X)などで発信しています。

ポスグラビザ

最後に紹介するカナダで働けるビザは、ポスグラビザ

こちらのビザの特徴・概要は次のとおりです。

申請年齢制限なし
条件一生に一度/条件を満たした学校を卒業する
働ける期間8か月~24か月未満の就学:学校に通った期間と同期間
24か月以上の就学:3年間
仕事の種類自由に選べる
永住権に活用可能?
=期間中の職歴は永住権申請にカウントされる?

重要な点は、働ける期間です。先述の通り、最大3年間働けるというのは大きな特徴です。

このビザを申請するには、公立カレッジや大学を卒業する必要があるので、取得までには時間がかかりますが、永住権申請にもつながる貴重なビザのひとつですね。

ポスグラビザについては、以下の記事で詳しく解説しています。

カナダのコープ(Co-op)留学にはメリット多数!注意点もふまえチャレンジしよう

今回は、カナダのコープ(Co-op)留学のメリット・デメリットを徹底解説しました。

紹介したメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット
デメリット
  1. 専門学習と就労体験ができる
  2. 語学以外のスキルを身につけられる
  3. 年齢や回数の制限なし
  4. カナダ長期滞在のひとつの手段
  5. カナダでの仕事探しに役立つ
  6. 【大学生】日本での就職に有利になる可能性あり
  7. 【社会人】キャリアアップにつながる
  1. コープ対象の学校は限られている
  2. 専攻のプログラムに関連する仕事しか選べない
  3. インターン先は自分で探さなきゃいけない
  4. インターン先が見つからないリスクもある
  5. ポスグラビザの対象ではない

ここまで読んだけど「まだコープ留学するか迷ってる……」という人は、カナダコープ留学経験者の体験談も覗いてみてください。

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この記事を書いた人

元カナダ在住ベテランWEBライター。
カナダでの長期滞在・オーストラリアでの語学留学などの豊富な海外経験をもとに、海外生活・英語学習に関する記事を1000記事以上執筆。
カナダではカレッジ進学やCo-op留学もしているので、その実体験に基づいた記事が得意。

過去には英会話講師として生徒の英会話力アップ・英検/TOEICスコアアップをサポートした実績や、大学の留学アドバイザーとして700名以上を海外に送り出した実績もある。

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