監修者末永 真一
カナダ留学コンサルタント、RCA 海外留学アドバイザー No.162002|カナダ在住20年以上のカナダ留学専門家。現在までサポートしてきた留学生数は1万人以上。カナダ留学情報を発信するX(Twitter)アカウントはカナダ以外も含む留学ジャンルでフォロワー数1位(1万人以上)、月間最大インプレッションは400万以上。
カナダのワーキングホリデービザは、一生に1回、30歳までの制約があります。しかし、ワーホリを再度経験したい場合や、31歳から35歳の場合には、セカンドワーホリ(RO)の制度を利用することができます。
本記事では、カナダのセカンドワーホリ(RO)の概要や申込方法、費用、そして手順について詳しく解説します。初めての方でも安心して申し込むためのポイントを押さえていきましょう。
カナダのセカンドワーホリ(RO)とは?
セカンドワーホリ(RO)とは、カナダでのワーキングホリデー経験を持つ人や、30歳を過ぎてしまった人でも、カナダでワーホリを経験できる制度です。
カナダのワーホリを終えた後でも最大2回利用することができ、35歳まで申請可能です。セカンドワーホリ(RO)には通常のセカンドワーホリと、ヤングプロフェショナル(Young Professionals)の2つのタイプがあります。
セカンドワーホリ(RO)の条件
主な条件は以下の通りです。
- 申請者の年齢が18歳以上、35歳以下
- パスポートの有効期限が滞在期間をカバーしている
- プログラム参加費+最低2,500ドル相当の資金を有している
- 往復航空券か、帰国の航空券を購入できる資金を持っている
- 滞在期間をカバーする留学保険に加入すること
- 過去に犯罪歴や、カナダでの違法滞在がないこと
詳しい条件はプログラムや経由団体により異なりますので、最新の情報を確認してください。
ヤングプロフェショナル(Young Professionals)の条件
主な条件は以下の通りです。
- 雇用主からのジョブオファーがあること
- 申請者の年齢が18歳以上、35歳以下
- パスポートの有効期限が滞在期間をカバーしている
- プログラム参加費+最低2,500ドル相当の資金を有している
- 往復航空券か、帰国の航空券を購入できる資金を持っている
- 滞在期間をカバーする留学保険に加入すること
- 過去に犯罪歴や、カナダでの違法滞在がないこと
セカンドワーホリ(RO)とヤングプロフェッショナル(RO)の違い
カナダで働けるビザには、通常のセカンドワーホリ(RO)のほかにヤングプロフェショナル(Young Professionals)もあります。
いずれもカナダでの就労を目的としていますが、ヤングプロフェッショナルプログラムに申請するには、雇用先が決まっている必要がある一方、最大2年間のビザが出るというメリットがあります。
一方、セカンドワーホリ(RO)の有効期限は最大1年間ですが、雇用先を限定しないオープンワークパーミットです。そのため、どこででも働くことができ、転職も自由(働かなくても良い)ことがメリットです。
ワーホリとセカンドワーホリ(RO)の違い
ワーホリとセカンドワーホリ(RO)の主な違いは、年齢制限と回数制限です。
通常のワーキングホリデービザは、18歳から30歳までの年齢制限がありますが、これがセカンドワーホリ(RO)では35歳まで引き上げられています。「31歳を超えてしまったけどワーホリがしたい」というケースにはセカンドワーホリが最適です。
また、セカンドワーホリ(RO)は過去に一度カナダのワーホリを経験したことのある方でも応募できます。これは一生に1回しか利用できないワーホリとの大きな違いで、セカンドとヤング合わせて一生で二度も参加することができます。
しかし、セカンドワーホリ(RO)では、枠数や応募できる時期が非常に限られていることに注意が必要です。
セカンドワーホリ(RO)とコープとの違い
セカンドワーホリ(RO)とコープの主な違いは、年齢制限と就労可能時間です。
通常のセカンドワーホリ(RO)は就労時間に制限がない為、1年間まるまる週40時間の就労が可能ですが、35歳までしか利用できません。
一方コープの場合は、プログラムの半分は週20時間までの就労しかできませんが、年齢制限はありません。
セカンドワーホリ(RO)の倍率
セカンドワーホリ(RO)の倍率は毎年発表される枠数により変動しますが、基本的に毎年ごくわずかしかありません。人気のあるプログラムであるため、応募者が多く、競争率が高いため、申請しても受理されないことも多いです。
確実にセカンドワーホリ(RO)を取得するためには、早めの準備と適切な情報収集が重要です。
参考までに、X(旧ツイッター)にて行ったアンケートの結果は下記の通り。
- 留学エージェント経由 34名(9%)→取得26名(8.9%):取得率76%
- RO団体経由 31名(8.2%)→取得7名(2.4%):取得率22%
カナダのセカンドワーホリ(RO)にかかる費用
カナダのセカンドワーホリ(RO)にかかる費用には、Ro申請料の他に、ビザ申請料、団体によっては学費もかかります。
また、入国時に滞在期間分有効な留学生保険も必要です。
- RO申請料:$1400〜$6000程度
- ビザ申請料:$272
- 学費:$4000〜$10500程度
- 保険代:$700~$2500
申込先の組織により申請料は大きく変動しますが安価な方法より高額な方法の方がビザを取得できる可能性は高いです。なお、カナダへの渡航費や現地での滞在費等もかかりますので、セカンドワーホリ(RO)を検討している方は、計画的に資産形成を行いましょう。
セカンドワーホリ(RO)とそれ以外の制度の比較
セカンドワーホリ(RO) | ヤングプロフェッショナル(RO) | ワーホリ | コープ | |
年齢 | 35歳まで | 35歳まで | 30歳まで | 年齢制限なし |
定員 | ごくわずか | ごくわずか | 6500名 | 人数制限なし |
回数 | ヤング含め2回まで | セカンド含め2回まで | 1回 | 回数制限なし |
ジョブオファー | 不要 | 必要 | 不要 | 不要 |
期間 | 1年 | 1-2年 | 1年 | 半年~2年 |
コスト | $1400~$10500 | $5000~$6000 | $272 | $5000~$25000 |
就労可能時間 | 長い | 長い | 長い | 短い |
カナダのセカンドワーホリ(RO)に申し込む方法
カナダのセカンドワーホリ(RO)に申し込む方法はいくつかあります。自分に最適な方法を選び、しっかりと準備を進めることが重要です。以下に、主な申込方法を詳しく解説します。
留学エージェントの枠で申し込む
留学エージェントを通じて申し込む方法は、手続きが比較的簡単で安心です。費用はCAD4500〜CAD6000程度かかることが多いですが、手続きは全て日本語ですし、一番確実性が高い申請方法と言えるでしょう。
留学エージェントはビザ申請のサポートやカナダ生活の情報も持っているので、セカンドワーホリ(RO)を含めたカナダでの包括的なプランについても相談することができます。中にはセカンドワーホリ(RO)ではなく、他の留学方法のほうが目的や予算に合っていることもあります。無料で相談できる所も多いので、一度相談してみることをおすすめします。
語学学校のRO枠で申し込む
2024年春からは、特定の語学学校が提供している「セカンドワーホリ(RO)パッケージプラン」がスタートしました。カナダの語学学校の品質の維持と推進を目的としたRO認定団体の一つである、Languages Canada(ランゲージ・カナダ)を通じての申請になります。
- ILSC Education Group(トロント、バンクーバー、モントリオール)
- Oxford International(トロント、バンクーバー、ハリファックス)
- Center of English Studies(トロント、バンクーバー)
- Center of English Studies(トロント、バンクーバー)
- VGC International College(バンクーバー)
- International House(バンクーバー)
- Upper Madison College(トロント、モントリオール)
- ATPAL Languages(モントリオール)
- Global Village(ビクトリア、カルガリー)
全ての語学学校がこのプランを提供しているわけではないことと、費用や条件が学校により大幅に異なることに注意が必要です。留学エージェントや対象の学校に問い合わせをし、そこから申し込みましょう。
カナダ政府認定RO機関で直接申請する
カナダ政府認定のRO機関を通じて直接申請する方法もあります。この方法は、エージェントや語学学校を通さないため、手数料がかからず経済的です。CAD1400〜CAD3500程度で申請が可能なようです。
しかし、申請手続きは自分で行う必要があり、手続きのミスが発生しやすい点に注意が必要です。申請手続きに必要な書類や手順は、RO機関のウェブサイトで確認できますが、情報がアップデートされていなかったり、連絡が来ないこともあります。安いことが最優先で、確実にビザが取れなくてもいい、という方に適しています。
- AIESEC Canada
- GO International
- IAESTE
- IIN
- A-Way to Work
- Languages Canada
- Stepwest
- SWAP
カナダのセカンドワーホリ(RO)に申し込む手順
セカンドワーホリ(RO)に申し込む場合、申込方法によって手順が異なります。以下に、留学エージェントを経由する場合と、カナダ政府公認RO団体を経由する場合の手順を解説します。いずれの方法も、その年(時期)の枠が売り切れたり、申請期間が過ぎると募集終了になります。
パターン1: 留学エージェントを経由しての応募の流れ
留学エージェントの枠で申し込む場合、及び語学学校のRO枠で申し込む場合は留学エージェントに連絡してカウンセリングを受けます。次に、プランを選択し、必要書類を準備し、エージェントを通じて申請を行います。留学エージェントが書類や次にすべきことなどを順次教えてくれるので、その通りに手続きを進めれば大丈夫です。ビザが発行されたら連絡がありますので、渡航やビザの切り替え準備を進めましょう。
パターン2: カナダ政府公認RO団体に直接応募の流れ
カナダ政府公認のRO団体に直接応募する場合、まずRO団体のウェブサイトで必要情報を確認し、申請手続きを行います。申請には、オンライン申請フォームの記入や、必要書類の提出が含まれます。団体により連絡方法が異なりますので、入念に確認しましょう。RO団体は申請内容をチェックし、問題がなければビザを発行します。この方法は、費用が抑えられますが、自分で全ての手続きを行う必要があります。
セカンドワーホリ(RO)に関するよくある質問
最後に、よくある質問にお答えします。
ROワーホリとは?
ROワーホリは、カナダでのワーキングホリデー経験がある人や31歳以上の人も応募できる特別なビザ制度です。
ワーホリに比べ応募枠が少なく、毎年、通常のセカンドワーホリの日本人枠は数十程度、語学学校パッケージプランは全世界で600程度(2024年6月時点)しかありません。
ROワーホリの応募条件は?
応募条件は、18歳から35歳であること・参加費や滞在費を支払える資産保有を証明できること・保険に加入することなどです。通常のワーホリと違い、カナダのワーホリ経験があっても応募できます。
ROワーホリの有効期限は?
ROワーホリの有効期限は1年間です。これはROワーホリの申請が終わってから1年ではなく、ROワーホリへの切り替えを終えてから1年となります。ROワーホリの申請が終わり、許可が出てからROワーホリへの切り替えは1年以内に行えばよい為、2025年のROワーホリを取得するために2024年の枠に応募することも可能です。
まとめ
カナダのセカンドワーホリ(RO)は、31歳を過ぎてしまった人や、すでにカナダのワーホリ経験があるけれどカナダで働きながら滞在したい人にとって、非常に魅力的な制度です。
申請方法や時期が複数ありますので、自分に最適な方法を選び、準備を進めましょう。枠が少なかったり応募時期が限られるので、早めの情報収集と準備が肝心ですよ!
セカンドワーホリ(RO)が最適解かわからない、どの方法がいいかわからない、という人は、一度相談してみてくださいね!
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